長年、日本でも愛されているボクシング。
様々な階級があり、ボクシングの大会も盛んに行われていますね。
そして輪島孝一、ガッツ石松、具志堅用高、亀田興毅、井上尚弥など、時代ごとに様々な選手がボクシング界を盛り上げています。
筆者的にボクシングが大変だと思うのは、階級に合わせた体重管理ですね。
テレビでも階級に合わせてボクシング選手が減量してるのを見て「自分には無理だ・・・」と絶句しています(笑)
しかし、よくよく考えるとボクシングの階級ってどれだけあるんでしょうね。
というか、ボクシングの階級は体重だけ見てますが、身長は加味しなくていいのでしょうか???
というわけで、本記事ではボクシングの階級についての疑問を徹底的に解説します!
先に言っておくと、ボクシングの階級・・・めちゃくちゃ細かいですよ!!!(笑)
そして、ボクシングの階級を身長で区分しない理由や、実際に階級がどのように利用されているのかもまとめています。
これを読めばボクシングがより楽しめること間違いなしですので、ぜひ最後まで読んでいってくださいね!
ボクシングの階級一覧
プロボクシングの階級は、男女で分かれています。
まずは男子プロボクシングの階級一覧をご紹介しましょう。
男子プロボクシング 階級一覧 | |
階級名 | リミット体重 |
ミニマム級 | 47.62kg |
ライトフライ級 | 48.97kg |
フライ級 | 50.80kg |
スーパーフライ級 | 52.16kg |
バンタム級 | 53.52kg |
スーパーバンタム級 | 55.34kg |
フェザー級 | 57.15kg |
スーパーフェザー級 | 58.97kg |
ライト級 | 61.23kg |
スーパーライト級 | 63.50kg |
ウエルター級 | 66.68kg |
スーパーウエルター級 | 69.85kg |
ミドル級 | 72.57kg |
スーパーミドル級 | 76.20kg |
ライドヘビー級 | 79.38kg |
クルーザー級 | 90.72kg |
ヘビー級 | 90.72kg超 |
男子プロボクシングの階級は、17階級にわかれています。
筆者も思いましたが、ボクシングの階級って想像以上に細かく分類されているんですね。
一番軽い階級のミニマムは47.62kg以下、一番重い階級のヘビー級は90.72kg超えということで、比較すると倍ぐらい体重が違うことが分かります。
あとはクルーザー級だけ、異様にリミット体重の幅が広いです。
クルーザー級でGoogle検索すると、関連キーワードで「不人気」というのも出てきます。
ヘビー級は一番重量があるだけあって人気があるみたいですが、クルーザー級はその下の階級で、なんか中途半端で地味というのが主な理由っぽいです・・・。
これだけボクシングの階級が細かいと、そういう印象も与えちゃいますよね。
ボクシングの男子階級が細かいことは分かりましたが、女子の階級はどうなのか?
こちらも一覧表にまとめているので、見てみましょう。
女子プロボクシング 階級一覧 | |
階級名 | リミット体重 |
アトム級 | 46.26kg |
ミニフライ級 | 47.62kg |
ライトフライ級 | 48.97kg |
フライ級 | 50.80kg |
スーパーフライ級 | 52.16kg |
バンタム級 | 53.52kg |
スーパーバンタム級 | 55.34kg |
フェザー級 | 57.15kg |
スーパーフェザー級 | 58.97kg |
ライト級 | 61.23kg |
スーパーライト級 | 63.50kg |
ウエルター級 | 66.68kg |
スーパーウエルター級 | 69.85kg |
ミドル級 | 72.57kg |
スーパーミドル級 | 76.20kg |
ライドヘビー級 | 79.38kg |
ヘビー級 | 79.38kg超 |
女子プロボクシングの階級には、男子と同様に17階級に分かれています。
最軽量のアトム級が追加され、クルーザー級がありません。
基本的に階級ごとのリミット体重は、男子と同じですね。
ちなみに日本の女子プロボクシングでは、アトム~スーパーフライ級の軽量階級の人が多いようです。
ボクシングの階級が細かすぎる理由とは?
ボクシングの階級はなぜ、17階級とめちゃくちゃ細かく分かれているのでしょうか。
その理由は大きく3つあると思われるので、解説していきます!
体格差によるハンデをなくすため
ボクシングの階級が細かく分かれている理由1つ目は、体格差によるハンデをなくすためです。
これはイメージしやすい理由ですよね。
100kgの人と50kgの人だったら、100kgの方がズッシリとしていて強いに決まっています。
そして、プロボクシングの方々のパンチは、拳に体重が乗るんですよね。
例えば10kgのダンベルを持ってパンチしたら、めっちゃ威力が上がることが想像できますよね。
もちろん10kgまるまる体重が乗っかるわけではありませんが、分かりやすく例えるとそういうことなのです。
筆者の経験でも、体重差によるパンチ力の違いはあると実感したことがあります。
筆者はわりと細いタイプですが、友人にちょっとぽっちゃりした奴がいましてね。
その友人とはゲームセンターのパンチングマシーンでよく威力を競っていました。
このツイッター画像のやつですね。
反対側から顔が見えるだけでも嫌なのにここにパンチングマシーンは最悪配置すぎん?wぽよ氏は主に平日だからいいけど土日とかボウリング待ちの陽キャ集団とかここ来たらオワリやん pic.twitter.com/yGomD7Tlog
— ➜ ぽよ໒꒱꙳⋆ (@p4_ddr) December 13, 2022
そのぽっちゃり友人は、体を鍛えているわけでもなく、ゲーム好きのインドア派だったのですが・・・このパンチングマシーンで筆者がそいつに勝てたことはありませんでした(笑)
筆者は50kgぐらいで、太めの友人は多分、80kgぐらいあったんじゃないかなと思います。
このように、ボクシングのパンチの威力は体重によって大きく変わるので、階級も細かく分けられているというわけですね。
選手の生命を守るため
ボクシングの階級が細かく分かれている理由2つ目は、選手の生命を守るためです。
ボクシングといえば「あしたのジョー」の真っ白に燃え尽きたシーンを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
燃え尽きたぜ… pic.twitter.com/rSaN4yjzjW
— たっくん️ (@nananananaccccc) December 12, 2022
真っ白に燃え尽きた矢吹丈の生死は明確にはなっていませんが、死んだと予想するボクシングファンも多いですね。
また、同じくあしたのジョーに登場する力石徹というキャラが作中で死亡しています。
不謹慎な話ですが『あしたのジョー』の力石徹がサードロープに後頭部を打ち付けた事が原因で死亡し日本中に衝撃を与えたのが1971年(アニメ)。演劇人にも印象的だった事と思われます。まして金属の釜の縁なんてギロチンのようなもの。「死を覚悟の演技」とは少しも大袈裟でなかったはず。#黄金の日日 pic.twitter.com/DztztCdHi0
— おぜ修一@ 第四惑星 C100「ウル星セブン」ありがとうございました! (@RVGeMCpPeb7jRHS) February 27, 2022
この力石徹の死は衝撃的で、当時はお葬式も行われたほど。
・・・とフィクションの話ではありますが、現実もこのようにボクシングは死と隣り合わせである側面があります。
1つ目の理由でも述べたように、体重差があるとパンチ力が大きく変わってくるんですよね。
そして、ボクシングはルール上、頭部と胴体にしか攻撃することができません。
したがって、ボクシングはどうしても頭部に攻撃が集中してしまうんです。
その頭部への攻撃によって、脳出血や脳挫傷を起こしてしまうことがあるんですね。
文部科学省の「部活動中で起きた死亡・重大事故」の調査でも2位となっており、10万人中18人が死亡・重度の障害事故にあっています。
ちなみに1位は自転車で29人、3位はラグビーで7人、4位は柔道で5人となっており、ボクシングからケタが上がっていて危険度が高いことが分かります。
正確な数ではありませんが、1890年から2011年の間に1600人もの人がボクシングで亡くなったという統計も。
ボクシングの階級が細かく分かれているのは、こうした重大な事故を少しでも防ぐためでもあると思われます。
興行収入を増やすため
ボクシングの階級が細かく分かれている理由3つ目は、興行収入を増やすためです。
う~ん、急に現金な話になりましたね(笑)
まあ、階級が17個あれば、単純に17の大会ができて、17人のチャンピオンが誕生することになります。
ボクシングの団体はWBA・WBC・IBF・WBOと4つあるので、実際はもっとチャンピオンは多いのですが(笑)
これは分かりやすくいえば、劇場版鬼滅の刃・無限列車編の上映回数と同じようなものですね。
1日あたりの上映を42回行った映画館があり、全体的に異常な上映回数で話題になりました。
その異常な上映回数のおかげもあってか、鬼滅の刃の興行収入は歴代最高の400億円を突破したわけですね。
この世は資本主義なので、お金は大事なんです(笑)
ボクシング界も存続するにはお金が必要ですから、階級が多いのもしかたありません。
鬼滅の刃のごとく、たくさんのボクシングの試合を楽しめることに感謝しましょう(笑)
ボクシングの階級を身長で区分しないのはなぜ?
さて、ボクシングの階級は体重によって分けられているわけですが、ここに身長は全く考慮されていません。
普通に考えれば、身長が高ければ高いほど、腕も長い傾向にありますよね。
腕のリーチが長ければ、相手へパンチを入れやすく、相手からのパンチは受けにくいはず。
ボクシングでのハンデをなくして平等にするなら、身長でも階級を区分すべき・・・と思いますが、身長が高くても不利な部分はあります。
ボクシングの階級が身長で区分されない、3つの理由を説明していきますね。
パンチ力に身長は関係ないから
ボクシングのパンチ力は、体重によって変わると説明しましたね。
しかし、身長で大きくパンチ力が異なることはないと思われます。
パンチ力の主な要素は、体重とスピードですね。
スピードによる威力の違いは、まあ車とか野球の球をイメージしてもらえば分かるかと思います。
時速20kmの車と時速100kmの車にひかれたら、時速100kmの車にひかれた方がヤバイでしょう。
そして、身長とパンチのスピードには何の関係もありません。
高いところから低いところにパンチを出そうが、スピードは同じです。
結論、ボクシングにおけるパンチ力と身長には何の関係もないので、特に階級分けされていないものだと思われます。
長身は連打に向いていないから
「パンチ力は変わらなくても、リーチは違うから長身の方が有利じゃないか!」と思いますよね。
それはその通りです、はい・・・(笑)
しかし、ボクシングでは連打でパンチを繰り出すこともあります。
ボクシングで連打をする時には、腕が長い方が速度が遅くなってしまう傾向にあります。
野球のバットも、短く持った方がコンパクトに素早くスイングできますよね!
つまりは腕が短い方が連打がしやすいので、有利なところもあるのです。
長身は減量がきつい部分があるから
身長が高かろうが、階級ごとに決められたリミット体重は守らなければなりません。
当然ながら、身長が高い方が体重は重いわけです。
実際に例を出してみると、身長150cmの適正体重は49.5kg、身長180cmの適正体重は71.3kgです。
身長が30cm違えば、適正体重では約20kgも違いがあるわけです。
つまり、低身長の人と高身長の人が同じ階級に出る場合、高身長の人の方がめちゃくちゃ頑張って減量する必要があります。
したがって、高身長の人が下の階級に出ようとすると、どうしても線が細くなって撃たれ弱い感じになってしまうんですよね。
というわけで、身長は高くても低くてもメリット・デメリットがそれぞれあるため、身長別に階級に分けられていないものと思われます。
ボクシングで勝つために階級はどう利用されてるの?
冒頭でもちらっと述べましたが、ボクシングといえば「減量」のイメージがありますよね。
ボクシングでは減量して、なるべく軽い階級に出るのがセオリーとなっています。
階級ごとにリミット体重が決まっていましたが、あれは基本的に大会前日に行われる計量時に体重をクリアしていればOKなのです。
試合当日はリミット体重を上回っていても問題ないわけですね。
ちなみに計量時は基本的に下着、場合によっては全裸もOKとのこと(笑)
本記事でも体格差の話もしてきましたが、やはり階級が小さい方が体格も小さい傾向にあるんですよね。
体重も低いのでパンチ力も下がりますし、身長も小さいのでパンチのリーチは短くなります。
つまり、試合に勝つなら体格の小さい選手が多い、軽い階級の方がいいわけです。
したがってボクシングでの勝率を高める戦略として、計量日の時だけめちゃくちゃ軽くして軽い階級に出られる資格を得て、試合当日は体重を戻して戦うというわけですね。
「ちょっとずるくない?」と思いませんでした?(笑)
例えると、車のスピード違反の取り締まりみたいなものでしょうか。
警察が取り締まってるところでは法定速度を守るけど、それ以外の場所ではスピード出してる、みたいな(笑)
まあ、実際にリミット体重の意味あるんか?という声もあります。
本来は試合当日に計量をすべきなのでしょうが、当日計量では極限まで体重を落として試合に出る選手がいて、それでは危険だということで前日計量となっているようです。
色々と思うところはあるかもしれませんが、それでもボクシングをやっている人たちは、少しでも階級を落とすために、命を削るぐらい過酷な減量をしています。
計量日の数週間前から食事を減らして、体重を減らしていくわけですね。
そして計量日の数日前から、水も取らない人もいます!!!
さらには、サウナスーツなどを着てトレーニングをし、汗をかいて徹底的に水分を抜く「水抜き」まで行う人もいます!!!
実際に「水抜き」をする動画もあるので、ぜひ見てみてください。
すべてはボクシングで勝つための戦略です。
ボクシングは試合の前から勝負が始まっているといっても過言ではないでしょう。
まとめ
プロボクシングの階級は男子・女子共に17階級に分かれており、かなり細かいです。
階級が細かく分かれている理由は、体格差のハンデをなくすためであったり、興行収入を増やすためであったりと、様々なメリットがあるからですね。
そしてボクシング選手のほとんどは、少しでも勝つ確率を上げるために、適正体重より軽い階級の出場を目指します。
試合前日の計量をクリアするために、水も飲まず、さらには汗で水を出したりするほど過酷・・・!
そんな過酷なことをしていると知ったら、なんだかボクシング選手を応援したくなってしまいますよね(笑)
ボクシング界を盛り上げていくためにも、ぜひ試合も観に行ってみましょう!